肩こりは“呼吸の質”で変わる?9割の人が知らないリセット法

「デスクワークで肩が重い」「寝てもスッキリしない」「マッサージしても、またすぐつらくなる」——
そんな慢性的な肩こりに悩んでいませんか?
実はその原因、“呼吸の浅さ”にあるかもしれません。
私たちの体は、浅い呼吸を続けることで、無意識のうちに首や肩の筋肉を緊張させてしまいます。
しかも、その状態が当たり前になると、“ほぐしても戻る”をくり返す悪循環に。
この記事では、ストレッチや姿勢改善とともに、「呼吸の質を変える」ことで肩こりを根本から整える方法を解説します。
「肩こりは体質」とあきらめていた方にこそ、ぜひ読んでいただきたい内容です。
Contents List
肩こりが治らないのは“呼吸の質”が原因かもしれない

つらい肩こりに悩まされている方の多くは、「マッサージをしてもすぐに戻ってしまう」「ストレッチをしても効果が続かない」と感じているのではないでしょうか。
実は、その肩こりの奥に潜んでいるのが、「呼吸の質の低下」です。肩まわりの筋肉と呼吸は、思っている以上に深い関係があるのです。
ここでは、まずなぜ一般的な対処法で改善しないのか、そして呼吸と肩こりのつながりについて、わかりやすく解説していきます。
ストレッチやマッサージで改善しないのはなぜ?
肩こり対策として多くの人が行っているのが、マッサージやストレッチ、湿布や電気治療などの対症療法です。
一時的には血行が良くなって軽く感じることもありますが、数時間〜数日でまたコリが戻ってしまう…という経験、ありませんか?
それは、根本の原因にアプローチできていないからです。
▶「ストレッチをしても効かない」と感じる方は、こちらの記事も参考になります。
多くの場合、肩こりは単なる筋肉疲労ではなく、姿勢の崩れや呼吸の浅さ、ストレスによる自律神経の乱れが複雑に絡み合っています。
つまり、表面的なコリをほぐすだけでは、その原因となっている深層のアンバランスが放置されたままなのです。
慢性的な肩こりを本当に改善するためには、まず「なぜ筋肉がこりやすくなっているのか?」という原因の根っこに目を向けることが大切です。
そしてそのカギを握っているのが、実は「呼吸」なのです。
呼吸が浅くなると、肩や首の筋肉は固まりやすい
呼吸と肩こり? 一見すると関係がないように思えますが、実はとても密接な関係があります。
私たちが呼吸をするときには、胸やお腹だけでなく、肋骨・横隔膜・首・肩の筋肉も連動して動いています。
とくに「呼吸補助筋」と呼ばれる筋肉の中には、胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)や斜角筋(しゃかくきん)など、首〜肩にかけて付いている筋肉が多く含まれています。
呼吸が浅くなると、これらの筋肉が過剰に働くようになり、常に緊張した状態が続いてしまうのです。
さらに、デスクワークやスマホ操作で猫背になりやすい現代人は、肋骨の動きが制限されてしまい、深い呼吸がしにくい姿勢になりがち。
その結果、肩まわりの筋肉は呼吸のたびに無理な使われ方をし、やがて慢性的なコリへとつながっていきます。
呼吸は「無意識」に行われる動作だからこそ、その乱れに自分では気づきにくいもの。
でも、ここを整えていくことで、今まで何をしても取れなかった肩こりが軽くなる――そんな変化が起こり得るのです。
▶呼吸を深くするには、まず姿勢の見直しから。猫背が気になる方はこちらの記事もぜひご覧ください。
呼吸の質が変わると肩こりも変わる~メカニズムと体感の変化~

「呼吸が浅いと肩がこる」と言われても、いまひとつピンとこないかもしれません。
しかし実際には、呼吸の“質”を見直すだけで、肩や首のこわばりがスッと軽くなることがあります。
このパートでは、呼吸に関わる筋肉や姿勢、自律神経とのつながりをひもときながら、呼吸の変化がどのように肩こりを改善するのかを見ていきましょう。
肋骨と横隔膜の動きが肩こりに与える影響
私たちの呼吸は、肺が勝手に動いているわけではありません。
実は、呼吸をするときには横隔膜(おうかくまく)という大きな筋肉が上下に動き、肺を押し下げたり引き上げたりしています。
このとき、肋骨も広がったり閉じたりと、大きく関わっているのです。
しかし、猫背や巻き肩といった悪い姿勢が続くと、肋骨が前後につぶれたような形になり、横隔膜がうまく下がらず、呼吸が浅くなる状態に。
そうすると、首や肩まわりの“補助筋”が代わりに頑張ってしまい、緊張が抜けなくなります。

とくに現代人は、デスクワークやスマホで前かがみの姿勢が多く、肋骨がロックされたままになっている人がほとんどです。
深呼吸をしようとしても肋骨が広がらず、結果として首・肩の筋肉に負担がかかり続けるのです。
呼吸をしっかり深く行うには、「姿勢」と「肋骨の動き」を整えることが前提。
つまり、肩こりを改善したいなら、まずは肋骨まわりの柔軟性を取り戻すことが大切です。
深い呼吸で整う「自律神経」と肩の緊張の関係
呼吸は、私たちの自律神経の働きにも大きな影響を与えています。
特に「ゆったりと深い呼吸」ができるようになると、副交感神経が優位に働き、体がリラックスモードへと切り替わります。
反対に、呼吸が浅くて速い状態が続くと、交感神経が過剰に働いてしまい、筋肉が常に緊張した状態に。
これはまさに、肩こりが慢性化している方に多く見られる状態です。
深い呼吸ができるようになると、肩の力がスッと抜ける瞬間を実感する方も多く、
alignmentでも「呼吸を通すトレーニング」を取り入れたセッションで、肩の可動域や筋肉の柔らかさに明らかな変化が出るケースがよくあります。
▶呼吸と自律神経の関係については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
つまり、呼吸を深くすることは単に“空気をたくさん取り込む”ということではなく、
神経系のバランスを整え、筋肉の緊張をゆるめるという意味で、非常に重要な役割を担っているのです。
今日からできる“呼吸+ストレッチ”リセット法

「呼吸の質を整えることが肩こり改善につながる」とわかっても、
実際にどうやって日常に取り入れればいいのか分からない方も多いのではないでしょうか。
ここでは、alignmentでも実際に指導している「呼吸の通り道を開く姿勢」と「肩まわりをゆるめるストレッチ」をご紹介します。
ちょっとしたコツを知るだけで、呼吸が深くなり、肩の重さがふっと軽く感じられるようになります。
まずは姿勢を整える|肋骨が開く座り方・立ち方
呼吸の質を上げるための第一歩は、「姿勢の見直し」です。
肩こりがある人の多くは、無意識に猫背や巻き肩になっており、肋骨が前後につぶれたような状態になっています。
この姿勢では、肋骨の動きが制限されてしまい、呼吸が胸や首にしか入らず、横隔膜や腹部がうまく使えなくなってしまうのです。
意識したいポイントは以下の3つです
1.坐骨(ざこつ)で座る:椅子に浅く座り、お尻の下の骨でまっすぐ体を支える
2.みぞおちを軽く引き上げる:肋骨を開き、内臓が下に押しつぶされないように
3.首を長く保つ:顎を引きすぎず、頭の重さを首で支えない姿勢へ
このフォームを取るだけで、肺と肋骨のスペースが広がり、自然と呼吸が深くなります。
立っているときも「かかと・母趾球・小趾球の3点で均等に立つ」ことを意識すると、体幹が整い、肋骨が動きやすいポジションを保てます。

▶皆さんはこちらの動画の動きできますか?
ぜひチェックしてみてください!
【結滞動作】これ出来ないと四十肩になる?:棘下筋トリガーポイントストレッチ
1日3分からできる「呼吸を通すストレッチ」紹介
姿勢を整えたら、呼吸の通り道である肩・胸・背中・肋骨まわりの筋肉をストレッチでやさしくゆるめていきましょう。
alignmentでは「無理なく続けられて、しっかり効く」ことを重視し、以下のような動きをおすすめしています。
肋骨を広げる胸開きストレッチ
呼吸に連動した体幹のツイストストレッチ
首から肩へつながる斜角筋・胸鎖乳突筋のリリース
ポイントは、ストレッチ中に呼吸を止めないこと。
「吸って、ゆるめる」「吐いて、伸ばす」このリズムが、肩のこわばりを根本からリセットしてくれます。
以下のYouTubeチャンネルでは、alignmentのトレーナーが実演しているストレッチやセルフケア動画をご紹介しています。
ぜひ動画を見ながら、一緒に呼吸とストレッチのリセットを試してみてください。
まとめ

「肩こりにはストレッチやマッサージ」——それは確かに効果的な方法ですが、なぜ繰り返すのか?という本当の原因に目を向けることも大切です。
実は、慢性的な肩こりの裏には、呼吸の浅さや姿勢の崩れといった“無意識のクセ”が隠れていることがあります。
呼吸が深くなると、筋肉の緊張がほぐれ、自律神経も整い、体の内側から「ラクさ」が戻ってきます。
alignmentでは、こうした体の根本から整える視点を大切にしながら、姿勢・呼吸・動作をトータルでサポートしています。
ストレッチだけでは解消しきれなかった不調も、“使い方”を変えることで、驚くほど軽くなる——そんな体験を、ぜひあなたにも実感していただきたいのです。
\ 呼吸と姿勢を整えて、肩こりのない毎日へ /
alignmentの体験トレーニングでは、あなたの体の状態に合わせた「呼吸+動き」のアプローチを丁寧にご案内いたします。

この記事の執筆者
神 戸 貴 宏
alignment代表。パーソナルトレーナーとして1000人以上のダイエットを指導。豊富な経験と実績を多くの方へ発信するためTarzanや美的などへ寄稿しています。